本の感想

辛い症状で頭がいっぱいの人へ 森田療法で実践したいこと

前回過敏性腸症候群を心理療法の方向から考えてみました。
過敏性腸症候群を心理療法の方向から考えてみました 実践してみたい2つのこと

そこで森田療法と出会い興味を持ち、一つの本を読んで勉強しました。こちらです。
森田療法 著者/岩井寛 出版社/講談社現代新書 
今回原因不明の体の不調で悩む人へ、この本をもとに森田療法を紹介したいと思います。

たくさんある森田療法の本からこの本を選んだわけ

最初に森田療法の本を調べたところ、たくさん本がでていました。ただこの岩井寛さんの本は評価が高かったのと、書かれた状況が興味深いものだったので特別な感じがしました。

というのもこの著者はこの本を書いた時、がんの末期で目も見えず耳も聞こえず体も動かせない壮絶な痛みの中にいたそうなんです、、。でも亡くなる直前まで本の内容を話し、代筆してもらいこの本を書き上げたんですね。

それも森田療法の力を使って書き上げたということなので「末期のガンにも立ち向かえるんだから、もしかしたら私の過敏性腸症候群も、、?」と期待したんです。果たして私も著者のように過敏性腸症候群に立ち向かえるんでしょうか!?

人間の中にある2つの欲望

二つのハート

まず森田療法で大前提とすることは、人間は2つの相反する欲望をもっている、ということです

1つ目の欲望は「生物としての欲望」。好きなだけ眠っていたいとか美味しいものをたくさん食べたいとか、命に直結する欲望のことです

2つ目の欲望とは「人間としての欲望」。人の役に立ちたいや成長したいなど、人間として向上したいという欲望のことです

この2つの欲望は対立するものなので、その対立が葛藤となり人間が生きていくうえで苦しみとなる。これが森田療法の大前提となる考え方です。

過敏性腸症候群の2つの欲望とは?

これを過敏性腸症候群で悩む私に当てはめて考えてみますね。

私にも2つの欲望があります。生物としての欲望とは「体調が悪いんだからよくなるまで休んでいたい、何もしたくない」これです。でもですね、じゃあ仕事も休んで家族とも出かけず家事もせず家にひきこもっていれば幸せかといえば、全く違うんです。それは「人の役に立ちたい、家族の笑顔が見たい」という人間としての欲望に反しているからなんです

2つの欲望を抱えて生きていくには?その対処法

暖かい道のり

森田療法ではまず生物としての欲望をあるがままに認め感じることから始めます。つまり「お腹の調子が悪くて休みたい」と言う気持ちは当然のこととして、受け入れるんですね。

でもその生物としての欲望に従って生きていけば、どんどん苦しくなるんです。そこで「休みたい」という欲望はそのまま感じつつ「でも人の役に立ちたい、成長したい」という人間の欲望に向かって生きていくことが大切なんです。これを目的本位といいます。

目的本位の生き方をすると、最初はとても苦しい。生物としての欲望を放置して感じるままにするんですから。でもひとの役に立ったり成長できたりすれば、本当の喜びを感じられます。その喜びを繰り返すうちに、生物としての欲望(体調が悪い、休みたい)に囚われなくなってくるそうです。つまり症状が柔らいでくるんですね。

この本を読んで気付いた私の過ち

ここまで理解して、今までの私の過ちがうっすら見えてきました。私は今まで2つの欲望のどちらかしか認めてなかったんです。しかも凄い極端だった、、。

例えば人間としての欲望しか認めていない時は「体調が悪かろうが、目標に向かって生活しなければ」と焦っていました。それの邪魔になる「お腹の調子が悪い」「休みたい」などの感情は、何としてでも取り除こうと必死でした。でも取り除こうとすればするほど、症状に気持ちが行ってしまって辛かったです。

また「生物としての欲望」しか認めていない時は「私は辛い!だから何もしない!」と開き直ってました。休めば少しは楽になるものの、何もしていない自分がどんどん嫌いになりました。「成長したい、ひとの役に立ちたい」などの人間の欲望を無視した結果だと思います。

まとめ

爽やかに歩く女性

私は森田療法を「自分の欲望に忠実に生きていく」だと勘違いしていました。(森田療法=あるがままってよく聞くもので)でもそうじゃないんですね。

「嫌われたくない!」「好きなことだけしていたい!」という生物としての欲望をあるがままに感じつつ、なおかつ自分の目標に忠実に生きること。矛盾した2つの欲望をあるがまま抱えたまま、生きていくことなんです。

とても厳しい道のりです。でも厳しい道のりだけど確実に前に進めるんじゃないでしょうか?辛い症状で頭がいっぱいの人、ぜひ読んでみてください。私も森田療法をもうちょっと勉強しようと思います!